玉結び


那須くんの、時間の流れや季節の移ろいを大切にしているところが好きだ。夜更けに屋上に出てお気に入りの音楽を聴きリラックスする時間のこと、暑い季節になれば思い出す「夏の匂いが好き」という話、冷たい空気とその匂いから冬の訪れを感じ「散歩とかしたくなる」と伝えてくれたブログ、毎日朝早くに起きてぼーっとコーヒーを飲む習慣のこと。
落ち着かない日々の中で、仕事に学業に忙しい那須くんの時間はせわしないのかと思えば、それは少し違って。那須くんの時間はわたしが思っているよりゆっくりと流れているのかもしれない。
重なってゆく毎日を縫い合わせるように、季節と時間を編むように生きている人だな、と思う。




那須くんが19歳になる。その事実を噛み締めるだけで、心のやわらかいところを四方八方からつままれているような不思議な感覚になる。うれしい。いとしい。なぜかちょっとさみしい。でもやっぱりうれしい。

18歳の那須くんはそれはそれはもう光り輝いていて、毎日が「あたらしい那須くん」に溢れている日々だった。テレビ、雑誌、YouTubeに島動画…那須くんを見ない日のほうが少なかったような気さえしてくる。


18歳の那須くん。
冬。髪を金色に染めて、ドラマに初出演した。ブリーチが痛かったと苦笑しながら嬉しそうに話す姿が愛おしかった。
春。高校を卒業し、大学に入学。最後の制服姿をわたしたちに見せてくれて、ブログにも卒業式の写真をあげてくれてその優しさが大好きだと思った。入学式用に憧れの人に買ってもらったスーツはどんな色味でどんな着心地かな、いつか見てみたいなあ。(欲深くてごめんね!)
夏。6人でドラマ主演を果たし、最中に単独コンサートもあった。真夏の少年最終回で、那須くん演じる柴山道史くんは「あなたの責任感には愛情がある」という言葉をもらっていた。道史くんにも、那須くんにもぴったりな言葉だなと思った。サマパラでは耳かけ那須くん!をひさしぶりに見られて那須担みんなで大喜びしたっけなあ…本当に楽しい時間ばかりで、「この夏が永遠に続けば良いのに」と願わずにはいられなかった。
秋。憧れの人の、憧れのグループの、バックについて踊った。大きな背中を見つめて嬉しそうに楽しそうに、口ずさみながら踊る那須くん。きっと色々思うことがあっただろう、那須くんの気持ちを想像することはできないけど、大事な大事な瞬間を見ることができてよかった。そしてドラマ出演!前向きに一生懸命お仕事を頑張る働き者の姿が毎話かわいくって仕方なかった。
時がたって、また冬。DREAM BOYSで大役の弟役を演じることに。歌もお芝居も驚くほど上手になっていて、「明るく活発、健気でかわいい弟のユウト」を全身で演じきっていた。わたしだってユウトにならいくつでも心臓あげたいよ〜!!なんて感情を飼い慣らすはめになった。


書けば書くほど、思い出が溢れてきて止まらない。18歳の那須くんがくれた宝物がたくさん、たくさんある。



思い返してみれば、テレビ雑誌動画諸々を見たときだけではなく、ふとした瞬間に那須くんを想うことが増えた。以前からそうだったけど、昨年からはとくに多くなったような。
那須くんがわたしの頭の片隅、生活の中にいつもいた。


たとえば。
昨年のわたしの大きな出来事といえばやっぱり就職活動なんですが…も〜しんど!やめたい!!無理!!とすべてを手放して逃げ出したい毎日をどうにか頑張れたのは、好きな人、那須くんの存在があったからで。

どんなに心配でも不安でも「大丈夫だよ」と重い荷物を肩からおろしてくれるような、「つらいときは休んで、また明日から一緒に頑張ろう!」と背中を押してくれるような、そんな優しさを持つ那須くんを想えばいつだって勇気をもらえたし、背筋を伸ばすことができた。すごく勝手で自分本位だけど、那須くんの存在がいつも糧になってわたしを支えた。

面接に向かう道、こわばって冷たくなった指先をじんわりとあたためてくれた魔法、サマステで披露した「このままもっと」。
不安に押しつぶされそうで眠れない夜、リラックスするために見てたくさん笑った美tube。
もう頑張れない、ってへこたれそうになったときなぞるように読み返した那須くんの言葉たち。



たくさんある、思い出す瞬間。いつのまにか勝手に救われていた瞬間。せわしない時の流れの中で、心の真ん中、かたくなっていた芯がやわらいでほっと息をつけるような、那須くんを思い出す時間。


時折、理想を押し付けてやいないか不安になる。自戒しておかなければならない。「絶対」も「ずっと」も、「永遠」もないということを。

わかっているんだけど、でも。
祈りたくなる。那須くんが心の真ん中にいてくれる日々を。願いたくなる。那須くんが落としてゆく一瞬のきらめきを拾い集めながら、光あふれる未来を見据えて線の上を歩くような毎日を。






19歳になったんだね。10代最後の一年、おとなのような、子供のような。
いつかもっと時間が経って那須くんが正真正銘の大人になって、わたしも歳をとったとき、思い出せるかなあ。19歳だった自分のことは鮮明に思い出せないけど。

18歳の那須くんを想い続けたこの一年間と同じように、思い出ひとつひとつが編み込まれた日々を縫い合わせるように、ほどけないようにしっかりと心に結んで留めて。19歳の那須くんがいた時間を折りに触れてまた思い出したい。あふれそうな想いをこぼしながらでも抱きかかえて進んでいきたい。
そんなことを願ってしまっています。



季節のうつろいと共にある思い出をひとつひとつの点とするなら、小さな点をブルーの糸で縫うような日々。
点は線になってつながり、その線が道標になる。編むように重ねた想いも一緒に連れて。



那須くんの歩いてゆく道が光と希望に溢れたものになりますように。どうかすこやかに過ごせますように。お誕生日おめでとうございます。
大好きです。


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