きらめきの引力

はためく衣装の裾から星が散らばる。胸にぎゅっとせまるようなときめき、一瞬のきらめき。

アリーナ単独公演という、はじめてのステージに立つ那須くんを見る。遠くから見つめた背中が愛しくてうれしくて、仄かにぼやけた輪郭が箒星の尾みたいで、ああ彼は、たくさんの人にとっての一番星なんだな。そう思った。




今日で那須くんを応援し始めてまる3年経ちました!出会ってからは約4年で、時の流れって本当に速いな〜と今年も実感しています。

なに書こうかな?と迷って、この一年の出来事を振り返った。那須くんあのときこんなこと言ってたな。あんなことして笑ってたな。文章に好きのかけらを落としていくたびに、ひとつひとつが大事で、思い出を重ねるのがうれしくて。

今年もやっぱり、那須くんの好きなところの話をしたいと思います。



スピード感、加えてなめらかで、とめはねはらいのしっかりしたダンス。
低いのも高いのも、稲穂が揺れる景色のように遠くまで心地よく響く歌声。

かたそうな髪に、短く切り揃えられた爪先。
かっこよくてかわいくて、それでいて優しい顔立ち。
通った鼻筋に、きゅるんと音が聞こえてきそうな口角、凛々しいまゆげと意志の強い瞳。
その瞳が、星が瞬くみたいにふわりと揺れる笑顔。



まあ毎年のことながら好きなところなんてありすぎてぜんぶ書ききれなくて、でも今の私が那須くんのここが好きだなと思うところは、唯一のきらめきの引力を持っているところ。

引力?引力って??と思われるかもしれない。でもどれだけ言葉の引き出しを探しても、愛用してる辞書をひいてみても、那須くんのあの特別な魔法はやっぱりこの言葉がいちばん似合うなぁと思った。

いんりょく【引力 attraction】

二つの物体が及ぼし合う力のうち,物体を互いに近づけるような向きに働くものをいう。


互いに引き合う力。この「互いに」がポイントです。

私にとってのアイドルは、引き寄せる力がある存在。引き寄せて抱きとめて、近くで、遠くで、心の内で、めいっぱいの光を降らしてくれる。
もちろんそれだけですごいことで、その光に救われたり勇気をもらったりすることがどれだけ幸運なことなのか身に染みてわかっている。

だけど、那須くんが持っているのは「引力」なのだ。引き寄せるだけじゃない、引き合う力。




それを実感したはじめてのアリーナ公演、Spring Paradise。私たちの春の訪れ。もう数ヶ月経つのに、今もずっと頭の中できらきらした音色が鳴っている。
あの日々の美 少年は、春を連れてきた風みたいだった。6つの風が奏でる歌声、跳ねるダンスが今も忘れられなくて、そして最後にひとりひとりが話す言葉がそれぞれの色を携えていたこと、手にとるように思い出せる。


私の特別な青い星を見つめる。




スポットライトが照らす暗がりのステージで、語りかけてくれる。


この日のために美容院とか、ネイルとか行ってくれたんでしょう? みんな、おしゃれさんだねぇ

6人に会える日を楽しみに、仕事を、学校を、生活を、毎日それぞれの場所で頑張って、めいめい着飾って会場に足を運んだ私たちにかけてくれた言葉。那須くんが隣に座って話してかけてくれているみたいな感覚になった。想っていてくれたんだとわかる。おしゃれさんだねぇ、なんて優しい顔で笑うから。


愛してくれるみんながいるから、学校も仕事も、精一杯、精一杯やれます

精一杯、を噛みしめるように繰り返していた那須くん。(でもこれレポ検索してみたら誰も言ってなくて私だけの幻聴だった可能性ある) みんながいるから、なんて、こっちのせりふなのにどうしたって優しい那須くんはいつも感謝を述べてくれる。那須くんが2年前の夏に話していた「頑張る人はかっこいいから、自分も頑張っていたいという思いがあるのかも」という言葉も一緒に思い出して、胸が熱くなった。私にとって、那須くんはいつまでも憧れなのだ。いつだって思ってるよ、「那須くんみたいになりたい」って。


みんなの消えかかった心を取り戻せるような存在になれたら

もう、なってるよ。何日やっても終わらない大量の業務を抱えて思わず涙が出てしまいそうだった残業中、ひとりぼっちのデスクで、那須くんを想った。窓の外を見れば、ビルの隙間に星が見える。なんとか仕事を切り上げて退社し空を見上げれば、月が光る。
昨年の私は「那須くんを支えにしない!」を目標にすると宣言していたけど、それができているかというと正直微妙だ。でもそれでいいのだと今は思う。
だっていつも心の真ん中にいて、灯台みたいに、一等星のように、笑っている三日月のように、蠍の炎のように、ぴかぴか光って導いてくれるのは那須くんだから。どこにいたって君を想う。


見つけてくれてありがとう

こちらこそ、見つけさせてくれてありがとう。光っていてくれてありがとう。好きになったばかりのときから、今でもやっぱり私は自分の"好き"の気持ちを肯定しきれないし自信もないけど。
でも、3年前の今日EXに行かなかったとしても、きっと見つけていたと思う。4年前、初めてちゃんと"那須くん"という人を見たときに「那須くん、っていうんだ、この子」とじわりと滲んだ感情に、きっとまた何度でも出会うだろう。那須くんを知らない自分にはもう戻れない。戻りたくない。
何度生まれ変わっても、何度目の人生でも、必ず那須くんを見つけ出したい。


だから、大丈夫だよ。

ぶわりと視界がぼやけた。周りにいた人もみんな青い光を手の内に宿して、涙を瞳に浮かべていたと思う。
あの瞬間、本当に空気がほどけたみたいだった。ああ、ぜんぶ大丈夫だなって思えた。なんてすごい人だろう。何度だって思い知る。かなわないな、この人には。

真っ青な光の海に放たれた、クジラが雄大に泳ぐみたいに大きくて心地よい波を生んだ那須くんの「大丈夫」。
那須くんが紡いだ言葉が会場の隅々にまで光を灯して、青いペンライトが揺れて、なんだか天の川みたいだなぁと思った。大好きな、人生のバイブルみたいな本の中にもこう記してある。

つまりは私どもも天の川の水のなかに棲んでいるわけです。そしてその天の川の水のなかから四方を見ると、ちょうど水が深いほど青く見えるように、天の川の底の深く遠いところほど星がたくさん集って見えしたがって白くぼんやり見えるのです

この惑星から見たらただのぼやけた青白い点々でも、ひとつひとつが川の底の砂であり砂利の粒で、生命で、ちゃんと星なのだ。

星々を、慈しむみたいに見つめる那須くん。会場にいるみんながそれぞれの星を抱えて、那須くんの言葉に耳を傾けて、しっかりと刻んだはずだ。
コンサートの最後の挨拶であり、スピーチであり、対話であり、那須くんと私たちが引き合っているとわかった瞬間だった。




那須くんのはっとするような明度の高い言葉を聞くたび、「みんなのおかげ」と言ってくれるたびに、那須くんも私たちに会えて本当に元気をもらってくれてるのかな、信じていいよね?と思ってしまう。オープニングで姿が見えた瞬間に「会えてよかった」と泣いてしまいそうだったけど、那須くんはどうだったかなぁ。
あの星が瞬くみたいに笑った顔が、心から弾ける楽しい!会えてうれしい!の気持ちだったなら、そんなに幸せなことはない。




那須くんは私にとってかけがえない人であり、ちかちか光って導いてくれる星であり、振り返ればいつも見える場所で光るお月さまだ。


月は1年に約3センチ、地球から離れているらしい。まるでちいさな会場でかわいくお手振りしていた那須くんが、数千、数万もの人が押し寄せる大きな会場で歌い踊り、客席をきらめきの引力で揺るがすスターになっていく過程みたいでとてもうれしくて、そしてすごくさみしい。遠くで光っていてくれたら一番いいと思うのに、本気でそう願っているのに。

勝手に星にして月にして灯台にして道標にしているくせに、そんなことを思ってしまう。だってこんなにも好きなんだ。
いつかいつか、迎えに行く日を夢見ている。
からしいと言われても、その夢を運命と呼べる日まで、手繰り寄せつづける。不毛だとわかっていても、ね。








でも。50億年経てば月の後退は止まる可能性があると、最近知った。
月はまた、この私たちが住む惑星をやわらかな光で照らしてくれるのだろうか。当然、50億年後には私はもうここにいないけど、その未来を想像するだけでなんだか胸がすいた。




勝手に星にして月にして、こんな身勝手な心でも。青く揺れる光の海の景色が、那須くんの中の糧になってくれているのだろうか。なってくれていたらうれしい。
姿が見えないくらい、どんなに遠くなっても。

那須くんと、私の持つ小さな光る星が、引き合っていたらいい。地球上でたったひとつの引力。





この先もずっと心の内で、見えないほどの遠くで、きらめいていてほしい。
那須雄登くん、いつも光っていてくれてありがとう。大好きです。